美容皮膚科医が教える痩身ダイエット方法

三十歳を目前に控えたある日、僕は鏡に映る自分の姿を見て深いため息をついた。夏が近づくたびに憂鬱になる。Ｔシャツから覗く濃い腕の毛、ショートパンツを履くことを躊躇させるすね毛。そして何より、自分でも不潔に感じてしまう胸から腹にかけての体毛。この長年のコンプレックスが、僕の自信を静かに、しかし確実に蝕んでいることに、もう見て見ぬふりはできなかった。高額な費用と、噂に聞く施術の痛みに何度も怖気づいたが、「このまま悩み続ける人生は嫌だ」という思いが、僕をクリニックのカウンセリングへと向かわせた。カウンセリングで丁寧な説明を受け、医療ローンを組むことで月々の負担を抑えられると知り、僕はＶＩＯを含む全身脱毛のコースを契約した。そして迎えた初回の施術日。緊張で強張る僕に、看護師さんは優しく声をかけながら、まずは痛みを感じにくいとされる脚から照射を始めてくれた。パチン、パチンという音と共に、熱い針で軽く刺されるような刺激が走る。耐えられないほどではない。しかし、ＶＩＯゾーンに差し掛かった時、僕はその認識の甘さを痛感した。これまで経験したことのない、鋭く、そして体の芯に響くような痛みが僕を襲った。思わず施術台のシーツを強く握りしめたが、看護師さんの「あと少しですよ、頑張りましょう」という声に励まされ、何とかその時間を乗り切った。施術直後は全身がヒリヒリしていたが、不思議と心は晴れやかだった。大きな一歩を踏み出せたという達成感に満ちていた。そして、その約２週間後。僕の人生を変える瞬間が訪れた。シャワーを浴びていると、面白いように全身の毛がポロポロと抜け落ちていくのだ。長年僕を縛り付けていた呪いが、解けていくような感覚だった。その後、２ヶ月に一度のペースでクリニックに通い続けた。回数を重ねるごとに痛みは驚くほど和らぎ、毛は目に見えて薄く、少なくなっていった。そして８回のコースを終えた頃には、僕の身体は理想としていた滑らかな肌に生まれ変わっていた。全身脱毛を終えて、僕の日常は一変した。夏に好きな服を気兼ねなく着られる。友人との温泉旅行で、体を隠す必要もない。肌が綺麗になったことで自分に自信がつき、人と話す時も自然と胸を張れるようになった。失ったのはコンプレックスの原因だった毛だけ。手に入れたのは、時間、清潔感、そして何よりも代えがたい自信に満ちた最高の日常だった。